山田流真の計画

「何ですって?」仁藤心春は驚いて、「山田流真、あなた悠仁を誘拐したの?!」

「お前のせいで全てを失ったから、こんな道を選ぶしかなかったんだ。仁藤心春、これは全部お前が引き起こしたことだ!」山田流真は憎々しげに言った。

仁藤心春は反論しなかった。今の彼女にできることは、山田流真を刺激しないようにすることだけだった。過激な行動を取られないように。「でも1億、それも米ドルよ。そんな大金を、秋山瑛真でさえ一週間で用意するのは無理よ」

「だったら温井卿介に頼めばいいじゃないか。温井家の寶石の劍で代用してもいい。そうすれば、あと100万米ドルの現金だけ用意すればいい」

仁藤心春は一瞬固まった。寶石の劍……それは温井家に代々伝わる貴重な宝物で、その短剣に埋め込まれた貴重な宝石で有名だった。確かにその価値はそれくらいはある。