秋山瑛真の顔色が急に青ざめ、目を見開いて温井卿介を睨みつけた!
成り上がってからは、かつての汚れた過去を隠蔽してきたものの、彼の過去を知る者たちの多くは、もはや口を開くことができなくなり、残りの者たちも口を閉ざしていた。
しかし、だからといって温井卿介が調べられないというわけではない。
結局、この世では、一度やったことは必ず痕跡が残るものだ。
「彼女が私を嫌悪し、見捨てるかどうかは、私と彼女の間の問題だ。今は温井二若様の要求に応じよう。GGKの15%の株式と引き換えに、寶石の劍の写真と動画を渡してほしい」秋山瑛真は重々しく言った。
「私が仁藤心春にお前の過去を話したらどうする?」温井卿介が言った。
「話すも話さないもあなたの自由だ。私は自分のやりたいこと、やるべきことをするだけだ。さあ、温井二若様の答えは?」秋山瑛真が言った。
温井卿介の薄い唇は一文字に結ばれ、しばらくしてから言った。「仁藤心春に会いに来てもらおう。弟の件なのだから、条件交渉に来るのは彼女であるべきだ!」
秋山瑛真は眉をひそめた。「なぜ彼女に会いたいんだ?この条件で、一本の剑の動画と写真と交換するには十分じゃないのか?」
「言っただろう。彼女自身に来てもらう!」温井卿介は冷たく言い、内線電話を押して、秘書に来客を案内するよう指示した。
秘書がオフィスに入ると、室内は凍りつくような雰囲気に包まれていた。
秘書は秋山瑛真に近づき、「秋山様、どうぞこちらへ」と言った。
秋山瑛真は依然として温井卿介を見つめたまま、「よく考えたほうがいい。このような取引は、今後二度とないかもしれない。それに、私がこの条件をあなたの大伯に持ちかけたら、彼は承諾するんじゃないかな?」
温井卿介は冷笑した。「私の大伯が寶石の劍を手に入れられると思うなら、彼のところへ行けばいい。言っただろう、仁藤心春に直接私のところへ来てもらうと」
「秋山様、どうぞ!」秘書は再び秋山瑛真の傍らで促した。
秋山瑛真は不機嫌な面持ちで社長室を後にした。温井卿介は苛立たしげに髪をかき乱した。
なぜ手の届くところにある利益を放棄してまで、仁藤心春に会いたがるのだろうか?