条件を出す

「気にしなくてもいいが、GGKの支援があった方が、GGKが君の伯父を支援するよりもいいだろう?」秋山瑛真は言った。「友人が一人増えることは、敵が一人増えることよりもいいと思うが、この道理は温井二若様にもお分かりでしょう」

温井卿介は唇を固く結び、秋山瑛真を見つめていた。オフィスの中は静寂に包まれていた。

「なぜ寶石の劍の贋作を作るんだ?」温井卿介は唐突に尋ねた。

「田中悠仁が山田流真に誘拐されたからだ。山田流真は百万米ドルを要求している。さもなければ、温井家の寶石の劍で代替すると言っている」秋山瑛真は隠すことなく答えた。

「仁藤心春の弟なら、今日私に頼みに来るべきなのは仁藤心春であって、秋山会長ではないはずだ」温井卿介は言った。

「心春が頼みに来たら、君は承諾するのかい?」秋山瑛真は言った。「温井社長は今、心春のどんな条件も受け入れないだろうと思うがね」