「なんですって!」島田書雅は呆然として、「あなた...どうしてそれを知っているの?!」
これは秘密のはずなのに。彼女は両親との電話でしか話していなかったし、その時山田流真は彼女の側にいなかったはずで、盗み聞きなんてできるはずがない。
「言っておくが、お前が何を考えているのか、俺は全部知っているんだ。俺はお前のためにこれだけ尽くしてきたのに、今の俺が落ちぶれたとたん、さっさと俺から逃げ出そうとしている!」山田流真は憎々しげに島田書雅を睨みつけた。
彼は彼女のためにこれほど尽くしてきたのに、彼女は彼が最も落ちぶれた時に彼を見捨てようとしている!
島田書雅がいなければ、こんなに多くのものを失うことはなかったのに!
そう考えると、後悔でいっぱいになった!
山田流真がジュエリーを持って出ようとするのを見て、島田書雅は焦った。「仁藤心春に何が起きたのか知りたくないの?今日、私が坂下倩乃に会いに行ったら、面白い話を聞かせてくれたわ!」
「何だって?」山田流真は一瞬固まった。
島田書雅は狼狽えながら立ち上がり、山田流真に向かって言った。「このジュエリーを借金返済に使っても焼け石に水よ。でも仁藤心春の秘密をうまく利用できれば、あなたにはまだ這い上がるチャンスがあるかもしれない。」
山田流真は島田書雅を見つめ、喉から荒い息を漏らした。「さっさと話を聞かせろ!」
「仁藤心春は白血病よ。もう数ヶ月しか生きられないかもしれない!」島田書雅は衝撃的な秘密を明かした。
山田流真の瞳孔が一瞬収縮した。白血病?
一方では仁藤心春が以前自分を捨てたことを憎んでいたが、もう一方では後悔もあった。もし仁藤心春と別れていなければ、今頃は会社も上場して、自分は上場企業の会長として、数億、いや数十億の資産を持っていたかもしれない!
そうなっていれば、人生は全く違うものになっていただろう!
しかし、あの女が白血病になるなんて、思いもよらなかった!
「それが俺が這い上がるチャンスだというのか。まさか俺が彼女を救えるとでも?」山田流真は不機嫌そうに言った。