再び傷を見る

「大したケガではありません。擦り傷だけで、せいぜい青あざができる程度です。後で病院に戻ったら、打撲用の軟膏をもらってきます。二、三日もすれば、あざも引くでしょう」と秋山瑛真は答えた。

仁藤心春はようやく少し安心したように息をついた。「じゃあ、この件は片付いたわけね。ゆっくり休んでください。明日は病院に来る必要はありません。私のことは医師や看護師が見てくれているから、何も問題ないわ。それに明後日は取引の日でしょう。体力を温存しておく必要があります」

明後日は、山田流真との約束の日だった。

「明日も病院に来て君に付き添うよ。君を見ていられることが、私にとって本当の休息なんだ!」と瑛真は言った。

「……」心春は一瞬、何と返事をすればいいのか分からなくなった。

「さあ、早く休みなさい。遅くまで起きていないで。おやすみ」と瑛真は促した。