『誤解だよ』

「あの……ごめんなさい、お二人とも続けてください!」山本綾音はそう言うと、病室から退出し、ドアを閉めた。

仁藤心春は閉められたドアを見つめ、それから秋山瑛真を見て、そして自分の手が瑛真の腹部に触れていることに気づき、顔が一気に赤くなった。

彼女は単に彼の怪我を確認しようとしただけだったが、この状況では、綾音が誤解したのは間違いないだろう!

「えっと……」心春は軽く咳払いをして、手を引っ込め、瑛真に言った。「服を……着てください」

腹部から温もりが急に消えて、瑛真は何か物足りない気持ちになった。

しかし、山本綾音が来てくれて良かった。もし彼女の手が彼の腹部をそのままなでていたら、彼の欲望は……

今の彼女は、まだ患者なのだ。

この瞬間、瑛真は自分の獣性を心の中で激しく非難した!