仁藤心春は遠くの船の影を見つめながら、山田流真との通話を続けていた。「今からどうやって取引するつもり?」
「もちろん、お前が船に乗って、寶石の劍と現金一億円を持ってきて、ここで取引するんだ」と山田流真は言った。
「でも、寶石の劍とお金を渡したら、本当に悠仁を解放してくれるの?」と仁藤心春は尋ねた。
山田流真は厚かましく冷笑した。「今はお前は俺の言う通りにするしかない。もしお前が従わなければ、田中悠仁と一緒に葬られることになるぞ。田中悠仁がいなくなれば、お前も生きていく意味がなくなるだろう!」
仁藤心春は唇を固く結んだ。しかし、海上では更にリスクが高く、不確実な要素が多すぎた。
そして、警察の狙撃手は、危険な状況が確認された時に、あの距離から山田流真を撃ち当てることができるのだろうか?