三年の月日が、あっという間に過ぎ去った。
カフェで、温井澄蓮は山本綾音を見つめながら、「お兄ちゃんとはいつ結婚するつもり?今は両家の親も同意してるのに、まだ何か心配事があるの?」
山本綾音のまつ毛が少し震えた。三年が経った。
この三年間、彼女と朝岚は両家の親の反対に直面しながらも、別れることはなかった。
朝岚の両親は彼女を再び誘拐しようとさえしたが、今回は朝岚が早めに気付いて、誘拐計画は失敗に終わった。さらに朝岚は両親に対して、もし次があれば、彼らとの関係を断ち切り、温井家での全てを失うことになると直接言い渡した。
両親は激怒したものの、どうすることもできなかった。
温井澄蓮については、彼女が言った通り、綾音と朝岚の味方になり、朝岚が両親に対抗した時も、兄と一緒に両親との関係を絶つと表明した。