仁藤心春と秋山瑛真は、パレードを見た後、展志ちゃんをレストランに連れて行った。
仁藤心春は秋山瑛真に向かって、「先に注文してて。私は展志ちゃんをトイレに連れて行くわ」と言った。
「わかった」秋山瑛真は微笑みながら答え、手を繋いで遠ざかっていく親子の姿を見つめながら、胸の中が何かで満ち溢れているような気がした。
かつては辛いと思っていたことが、今では少しずつ素晴らしいものに変わっていた。
もう少し...時間さえあれば、温井卿介を恐れることはなくなるはずだ。そうすれば、きっと彼女をもっとよく守ることができる。
ただ...時間が必要なだけだ!
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仁藤心春は展志ちゃんとトイレを済ませ、洗面台で小さな子の手を洗わせていた。
「ママ、今日は楽しかった!」小さな子が言った。
「遊園地に来たからかしら?」仁藤心春は微笑んで言った。