彼女の瑛真への感情が何であれ、今は認めるわけにはいかない!
「私は瑛真を愛していません」と彼女は言った。確かに、これは本当のことだった。
今の彼女は瑛真に対して、同情や感謝、気遣い、感動はあるものの、まだ恋愛感情までには至っていなかった。
でも、このまま進展していけば、きっと瑛真を本当に好きになるだろうと思った。なぜなら、彼は愛される価値のある男性だから。
鳳眸は依然として彼女を見つめ続け、まるで彼女の言葉の真偽を見極めようとしているかのようだった。
しばらくして、温井卿介の目の中の暗い影がようやく消えていった。「よし、今回はお姉さんを信じよう」
彼の言葉が落ちると同時に、彼の唇が再び彼女の胸元に押し付けられ、指が彼女の身体の感覚を掻き立てた。
「秋山瑛真を愛していないのなら、私たちはやり直せるはずだよね」と彼はつぶやいた。
「無理よ!あなたとやり直すなんて絶対にできない。今の私はもうあなたを愛していないわ!」と彼女は必死に抵抗した。
「じゃあ、お姉さんは私の知らない誰かを好きになったのかな?」と彼は冷たい声で尋ね、突然鎖骨のあたりを吸い始めた。
鎖骨に刺すような痛みが広がっていった。
「あっ!」仁藤心春は痛みで叫び声を上げた。「やめて...痛いわ...」
「もしお姉さんが本当に他の人を好きになったのなら、もっと痛いことになるよ」と言いながら、彼は彼女の鎖骨に付けた痕を満足げに眺め、舌先でその痕をそっと舐めた。
「たとえ...他の人を好きになっていなくても、あなたを好きになるわけじゃない!」と彼女は言った。彼の舐める動きと愛撫に、身体が震えていた。
元々白かった肌が魅惑的なピンク色を帯び、彼女の息遣いは次第に荒くなり、全身の血液が加速して流れているかのようだった。
「そう?」と彼は軽く笑った。「でもお姉さん、きっと私のことを好きになってくれるよ」
「どうしてそんなに自信があるの!」と彼女は彼を睨みつけた。
しかし彼の機嫌は更に良くなったようだった。彼女が怒っているのに、その杏色の瞳に映るのが自分だけだということが嬉しかったのだ!
彼のお姉さんは、怒っている姿さえも可愛らしく感じられた。
彼女は彼の前で、ついに本物になった。温もりのある存在であって、夢の中の幻影ではなくなった。