もう約束してくれた

小さな子供がいたため、山本綾音はその場で言いたいことを言えずにいた。

温井朝岚は山本綾音の躊躇を察し、自ら前に進み出て、山本綾音が抱いている展志ちゃんに向かって言った。「こんにちは、僕は綾音おばさんの彼氏だよ。温井おじさんって呼んでくれていいよ」

「温井おじさん?」小さな子は不思議そうに目を瞬かせて、「どうして悪いおじさんと同じ温井おじさんなの?あなたも悪い人なの?」

山本綾音はこの言葉を聞いて内心喜んだ。よかった、温井卿介がたくさんのおもちゃをあげても、まだ子供の心を買えていないようだ!

「僕は...えっと、あのおじさんの従兄だよ。間違えないように朝岚おじさんって呼んでくれてもいいよ」と温井朝岚は言った。

小さな子は何か考えているようで、しばらくして山本綾音の方を向いて聞いた。「彼氏ってなに?」