悪意を抱く

山田流真は島田書雅に再び会うとは思ってもみなかった。

かつて彼の心を虜にしたこの月光のような女性を目の前にして、今では中年女性のように老け果て、ほとんど見分けがつかないほどだった。

元々この女性は本当に自分を愛していると思っていたが、まさか彼が破産した時、この女性は態度を一変させ、明らかに彼を嫌悪し、後には彼の全財産を持ち逃げして、彼を見捨てようとしたとは。

あの時、田中悠仁を誘拐した際、罪の一部を島田書雅に押し付けようとした。自分が刑務所に入るなら、島田書雅も逃げられないようにしたかった。

しかし島田書雅は最終的に無罪となり、全ての罪は彼一人のものとなった。

彼は納得できなかった。なぜ自分は刑務所でこんなに苦しい思いをしているのに、本来なら苦楽を共にするはずだったこの女は、外で自由気ままに過ごせるのか。