見つかった

「家族?」

仁藤心春は呆然と秋山瑛真を見つめ、彼の口からこの言葉が聞けるとは思ってもみなかったようだった。

彼女はずっと家族を持つことを願っていたが、家族との縁は常に薄く、展志ちゃんが今の彼女唯一の家族だと思っていた。

でも……他にも家族がいるのだろうか?

秋山瑛真は一瞬躊躇してから、続けて言った。「それに私だけじゃない。父も、ずっとあなたを家族として、娘として見てきた。この数年間、父は狂気に陥っていても、あなたのことをずっと覚えていたんだ!」

仁藤心春の目に涙が浮かんできた。「秋山おじさまは…今、お元気ですか?」

「元気だよ。今でも時々狂気の症状が出ることはあるけど、以前よりずっと良くなっている。それに、よくあなたのことを話題にして、会いたがっているんだ」秋山瑛真は唇を噛んで、苦笑いを浮かべた。「父には君が失踪したことは話していない」