秋山おじさんに会ってから、仁藤心春はずっと秋山おじさんに合う香りを作ろうと考えていた。
温井卿介が経営するアロマ株式会社には実験用の研究室があり、心春はもちろんそれを借りていた。
そしてその後の数日間、彼女は毎日展志ちゃんを幼稚園に送った後、研究室に来ては香りの配合実験をしたり、市場へ行って香りの材料を選んだりしていた。
日々はこうして過ぎていき、温井卿介との関係も、まあまあ平穏に過ごしていた。
ほとんどの場合、温井卿介は彼女に夜一緒に寝るよう求めていたが、特別な状況では例外もあった。
例えば...展志ちゃんが病気になった時、彼女が夜娘の側にいたいと申し出ると、彼は意外にもすぐに了承してくれた。
彼女が説得する必要すらなかった。
展志ちゃんが熱を出した時のことを思い出すと、心春はまだ胸がどきどきした。