何が悪いというのか?

彼女は体を震わせた。彼女が覚えていたことを、彼も覚えていたのだ。

宇宙館から帰ってアパートに戻ると、仁藤心春はすべてが非現実的に感じられた。温井卿介があんなにも忍耐強く展志ちゃんに付き添い、昼食の時にはほとんど彼が小さな子に料理を取り分け、ステーキを食べる時も小さく切り分けて、子供が噛んで飲み込みやすいようにしていた。

展志ちゃんが疲れると抱っこし、欲しいおもちゃがあれば自ら買い与え、さらには宇宙服を着て一緒に写真を撮りたいと言えば、あの厚い宇宙服を着て写真に収まることさえ承知したのだ。

これらは、彼女が以前には想像もできなかったことだった。

実は今日だけではなく、彼が展志ちゃんを本当に実の娘として扱うと言ってからは、少しずつ変わってきていた。

そんな彼を見ていると、彼女の心には何かが触れるものがあった。