「ええ、もし瑛真に会う機会があれば、彼に伝えておくわ」と仁藤心春は言った。「瑛真は物事をよく理解している人だから、きっと分かってくれるはず。あなたを責めたりしないわ」
「そうね、秋山瑛真のことを本当に知ってみると、実は悪い人じゃないってわかるの」と山本綾音は言った。秋山瑛真は義理堅く、一度友達だと認めた人のためなら何でも助けてくれる。
特に山本綾音は以前、温井朝岚に秋山瑛真の過去を調査してもらい、彼がどんな暗い過去を経験してきたかを知っていた。
そんな過去を持ちながらも、性格が歪まなかったのは、本当に大したものだ。
「そういえば、あなたと温井卿介はどう?うまくいってる?」と山本綾音は尋ねた。
仁藤心春はちょっと躊躇してから「まあまあね」と答えた。
「本当にまあまあ?」と山本綾音は言った。「もし何か辛いことがあったら、必ず私に言ってね。すぐに解決できなくても、一緒に方法を考えることはできるわ!」