幼稚園のお知らせ

「ええ、もし瑛真に会う機会があれば、彼に伝えておくわ」と仁藤心春は言った。「瑛真は物事をよく理解している人だから、きっと分かってくれるはず。あなたを責めたりしないわ」

「そうね、秋山瑛真のことを本当に知ってみると、実は悪い人じゃないってわかるの」と山本綾音は言った。秋山瑛真は義理堅く、一度友達だと認めた人のためなら何でも助けてくれる。

特に山本綾音は以前、温井朝岚に秋山瑛真の過去を調査してもらい、彼がどんな暗い過去を経験してきたかを知っていた。

そんな過去を持ちながらも、性格が歪まなかったのは、本当に大したものだ。

「そういえば、あなたと温井卿介はどう?うまくいってる?」と山本綾音は尋ねた。

仁藤心春はちょっと躊躇してから「まあまあね」と答えた。

「本当にまあまあ?」と山本綾音は言った。「もし何か辛いことがあったら、必ず私に言ってね。すぐに解決できなくても、一緒に方法を考えることはできるわ!」

「本当に大丈夫よ」と仁藤心春は言った。「卿介は今、私だけでなく展志ちゃんにもとても優しくしてくれてるの。もし...」

彼女は言葉を詰まらせた。もし彼が強引に自分を引き留めようとしていなければ、まるで昔に戻ったような、彼らが再会したばかりの頃の、いつも素直に彼女の言うことを聞いていた卿介に戻ったかのように思えるのに!

「もし何?」と山本綾音は追及した。

「何でもないわ」仁藤心春はそれ以上話さなかった。

幸い山本綾音もそれ以上追及せず、話題を変えて結婚式のことや温井朝岚とのウェディングフォト撮影について話し始めた。電話を切った後、仁藤心春は軽く微笑んだ。

今、綾音も自分の幸せを見つけたのね、それはとても良いことだわ!

そして彼女は...仁藤心春はそっとまぶたを伏せ、手の中の半完成の香り袋を見つめた。これは彼女自身が裁断して作った香り袋で、香料が完成したら、それを香り袋に入れるつもりだった。この香り袋は秋山おじさまの症状を治すことはできないが、彼の睡眠を改善し、心を落ち着かせる助けになればと願っていた。

もし彼女の生活も、今のこの静けさと平穏さを維持できるなら、それもまた悪くはないだろう!

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夕食後、展志ちゃんはバッグから幼稚園のお知らせを取り出した。それは幼稚園の活動に関するお知らせと、保護者のサインが必要な返信用紙だった。