第18章 甘い雰囲気の一幕

大谷補佐は霧島冬真が苦しそうにしているのを見て、思わず提案した。「社長、かなり痛そうですが、病院に行かれたほうがよろしいのではないでしょうか」

霧島冬真は病院に行くのは時間の無駄だと思い、低い声で断った。「必要ない。城南の土地開発プロジェクトの資料を持ってきてくれ」

大谷希真も強要できず、「はい、社長」と答えた。

しかし戻ってきた時、思いがけず梁川千瑠と出くわした。

彼女は薄い白のキャミソールワンピースを着ており、シンプルでありながら上品な雰囲気を醸し出していた。

髪を上げ、高価なダイヤモンドのヘアピンで留めており、さらに彼女の愛らしく美しい容姿を引き立てていた。

四年前より一層美しくなったように見えた。

しかし、それだけ一層嫌悪感も増していた。

四年前、社長が事故に遭った後の彼女の行動を、今でも鮮明に覚えている。