第20章 耐えられない

林田瑶子は罵った後、夏目星澄のことを心配し始めた。

「星澄、このことをこのままにしておくわけにはいかないわ。霧島冬真にはちゃんと説明してもらわないと」

夏目星澄は自分から霧島家の若奥様の座を譲れば、もう心が痛まないと思っていた。

しかし、霧島冬真は最後の体面さえも与えてくれず、あのような醜い場面を見せつけた。

夏目星澄は以前は心が疲れていたが、今は心が死んでしまった。

このような屈辱的な光景をまた見るくらいなら、早く解放される方がましだ。

離婚の件は、もう待てない。

夏目星澄は顔の涙を拭い、決意に満ちた目で言った。「どんな説明も要らない。離婚だけでいい」

しかし林田瑶子は、このまま離婚するのは損すぎると思い、諭した。「離婚はする、絶対にするけど、何も要求しないのはダメよ。あなたは霧島冬真の合法的な妻なんだから、あなたの物や権利は主張するべきよ」