霧島冬真も夏目星澄の誕生日にそのことを知った。
夏目星澄はキッチンで祖母と電話をしながら、昔のことを話していた。
彼の祖母は以前、夏目星澄の大学進学を援助し、彼女の父親の腎臓移植手術のために寄付もしていた。
その後、彼女の家族に借金問題が発生した時も、祖母が助けてくれた。
だから夏目星澄は、祖母が霧島冬真の世話をする人を必要としていると知った時、やって来たのだ。
その後、祖母は彼に早く結婚して子供を持つように望んでいた。
しかし霧島冬真は仕事が忙しいという理由で先延ばしにし続けていた。
夏目星澄はその時、薬を使って彼のベッドに入り込んだのだ。
結局のところ、すべては祖母の恩に報いるためだった。
彼への愛ではなかった。
だから、その日梁川千瑠から電話があり、帰国して会いたいと言われた時、彼は腹を立てて彼女を迎えに行ったのだ。