第29章 誰があなたを不機嫌にさせたの?

ゴールデンパレスカジノは、潮見市で最も高級な消費エリアだ。

ここは多くの富豪たちの遊び場であり、出入りする人々のほとんどが身分と地位のある者たちだ。

普段から緒方諒真はここでよく過ごしていた。美味しい料理だけでなく、ワンストップサービスと従業員の申し分のないサービス態度に満足していたからだ。

そのため、彼は年間契約で専用の個室を確保していた。

いつでも気軽に立ち寄れるように。

今夜、霧島冬真が突然飲みに誘ってきたので、ここを選んだ。

黄色みがかった照明に青みがかった冷たい光が混ざり、個室全体を包み込んでいた。目の前のテーブルには様々な料理や軽食が並び、空になった酒瓶が脇に置かれ、大きなスクリーンではカラオケの映像が流れていた。

個室には計四人、三人の男性と一人の女性がいた。