梁川千瑠は霧島冬真が来たのを見て、さらに悲しそうに泣き出した。「冬真さん、私のことは放っておいて、早く星澄のところに戻ってあげて。そうしないと、また彼女が霧島お婆様に私が厚かましく誘惑したと告げ口するわ」
「私は今まで、こんな辛い思いをしたことがないわ。ただあなたに会いたくて、もっと会いたくて、医者も私の病気にはいいと言ってくれたのに。まさか星澄があんな風にお婆様の前で私を中傷するなんて。お婆様まで私のことを悪い女だと思ってしまって。昔は、お婆様は私のことを一番可愛がってくれたのに...」
夏目星澄は梁川千瑠の中傷を聞いて、冷ややかな笑みを浮かべた。
林田瑶子が彼女のことを腹黒いと言って付き合いたくないと言っていたのも無理はない。
梁川千瑠のような嘘をつくのが上手い人は、本当に怖い。