第37章 彼は後ろめたさを感じていない

病院の外に着くと、霧島冬真は夏目星澄がまだ一言も発しないのを見て、彼女が祖母の先ほどの言葉を気にしているのだと思った。

「子供を作ることについては、プレッシャーを感じる必要はないよ。結婚した日から祖母は催促してきたけど、いつも言い訳して断ってきたんだ。今回も気にしなくていい。」

夏目星澄は真剣に考えてから、頷いて言った。「今の私たちの状況では、確かに子供を作るのは適切ではないわ。祖母には申し訳ないけれど。」

霧島冬真の目が暗くなり、意味深げに尋ねた。「私たちの、どんな状況?」

夏目星澄は「もちろん離婚することよ。今子供を作って、生まれてから離婚するなんて、子供に対して不公平すぎるわ。だから早めにこの件を決めて、祖母の病気が良くなってから説明した方がいいと思う。」