夏目星澄と霧島冬真は結婚して三年になる。
しかし、ずっと別々に寝ていた。
本家にいる時だけ、二人は同じベッドで眠る。
夏目星澄は実のところ、霧島冬真に抱かれるのが好きで、男性の体温を感じるのが好きだった。
それが彼女に帰属感を与えてくれた。
たとえ短い時間でも、とても好きだった。
そうして抱かれたまま30分以上が過ぎた。
霧島冬真はようやく目を覚ました。
目を開けると夏目星澄の優美で穏やかな顔が見えた。「もう少し寝ていればよかったのに?」
そう言いながら、彼は額を彼女の額に当てた。
よかった、熱は下がっている。
一晩中頑張った甲斐があった。
夏目星澄は男性の突然の親密な行動に緊張して、「あ、あなた...何してるの?」
霧島冬真は彼女の具合が良くなったことを確認し、淡々と言った。「まだ熱があるか確認してた。」