一連の作品が展示された後。
司会者は岡田啓仁が彼の最後を飾るジュエリー作品と共に登場すると発表した。
彼と一緒に現れたのは夏目星澄だった。
発表会が始まる直前に知らされたのだが、元々最後を飾るはずだった女性モデルが足首を捻挫してしまい、歩けなくなったのだ。
岡田啓仁は彼女に、最後の「ときめき」のメインピースを着けて一緒に登場することを依頼した。
これから彼女が歌う曲とちょうど呼応するものだった。
夏目星澄は熱心な依頼を断れず、岡田啓仁と共にステージに上がった。
拍手が収まった後、岡田啓仁は自身の作品を紹介すると同時に、夏目星澄も紹介した。
下で座っていた緒方諒真は驚いた表情で、「冬真さん、見てください、あれは奥様じゃないですか。まさか彼女が岡田啓仁のミューズになるなんて、この組み合わせは全く想像もしていませんでした!」