第152章 大丈夫、私が来た

夏目星澄は、実の両親がお金のために自分をここまで追い詰めるとは思ってもみなかった。

彼女は以前自分の寝室だった、今は倉庫となった部屋に閉じ込められていた。

かつて実家が立ち退きになった時、夏目星澄にも権利があった。

しかし両親は、将来は嫁に行くのだから家なんて必要ないと騙した。

そして彼女の家は弟の夏目晴貴の名義に書き換えられた。

彼女に残されたのは、最も狭い部屋だけだった。

そこにはシングルベッドと小さな机が置けるだけの空間しかなかった。

それでも彼女はそこで3年間過ごした。

大学に合格した年、彼女の部屋は妹の衣装部屋になった。

長期休暇の時でさえベッドで寝ることができず、床に布団を敷くしかなかった。

そして今、彼女を閉じ込める「牢獄」となった。

夏目星澄は椅子に縛り付けられ、身動きが取れなかった。