病院。
医師の診察の結果、「奥様は大丈夫です。ただショックで気を失っただけで、お腹の赤ちゃんも健康です。あと数日安静にすれば問題ありません」という診断が下された。
霧島冬真は医師の言葉を聞いて、少し安心した。
しかしその夜、彼女は高熱を出し、うわごとを言い始めた。
妊婦なので、解熱剤は使えない。
物理的な方法で熱を下げるしかない。
霧島冬真は他人に夏目星澄の体に触れさせたくなかったので、自分で看病することにした。
しかし、彼は人の世話をしたことがなく、力加減がわからなかった。
夏目星澄は眉をひそめ、痛みで小さく呟いた。
霧島冬真は苦笑して、「夏目星澄、お前のことを大切にするのは、なぜこんなに難しいんだ」と言った。
彼の一晩中の懸命な努力の結果。
夏目星澄の熱は下がった。