第173章 同室にて

部屋の中。

夏目星澄が休もうとベッドに横たわろうとした時、霧島冬真も一緒に入ってきたのに気づき、少し驚いて彼を見つめた。「どうしてあなたも入ってきたの?」

「君のことが心配で...」霧島冬真は一瞬躊躇してから付け加えた。「お腹の子のことも。」

夏目星澄は心身ともに疲れ果て、霧島冬真とこれ以上やり取りする気力もなかった。「大丈夫よ、ただ少し疲れて眠いだけ。」

霧島冬真はベッドの向かいのソファに座り、淡々とした口調で言った。「ああ、寝るといい。」

夏目星澄は深いため息をつき、目の前で全く気まずそうな様子を見せない男を呆れた目で見つめた。「いや、あなたがここにいたら、私、眠れないわ。」

「何?私が怖いのか?」

「どう思う?夜遅く、男女二人きりで同じ部屋にいるなんて、適切だと思う?」