夏目星澄は朝食を脇に置き、睨み返して「何を見てるの?」と言った。
霧島冬真は少しかすれた声で言った。「意外だな、嘘がうまいじゃないか」
夏目星澄は少し困った表情を見せ、「だって、あなたが私の部屋にいるなんて言えないでしょう。誤解されたら困るし」
霧島冬真は枕を見ながら、顎を少し上げて「どう困るんだ?説明してみろ」
「よく言うわね。どうしてあなたが私のベッドで寝てるのよ。私が寝たら帰るって約束したじゃない!」
霧島冬真というこの大嘘つきは、彼女のベッドで寝ただけでなく、少しも恥じる様子もなく、むしろ堂々としていた。
なんて図々しい!
「あなた、これ警察に通報できるって知ってる?」
夏目星澄は損をしたと感じ、彼を脅かそうとした。
霧島冬真は眉を少し上げ、「でも昨夜は君が離さなかったんだ。私にも選択肢がなかった」