花井風真は即座に早川晴乃の暴走を止めた。「何を馬鹿なことを言っているんだ。そんなことを言えば星澄にどれだけ迷惑がかかるか分かっているのか!」
彼は言い終わると心配そうに夏目星澄を見た。「星澄、申し訳ない。晴乃は頭が混乱しているんだ。今すぐ連れて行く」
早川晴乃は執拗に叫び続けた。「行かない、行かないわ!さっきの部屋には私と夏目星澄しかいなかったのよ。私のダイヤモンドのブレスレットが無くなったの。彼女が盗んだんじゃなかったら誰よ!」
花井風真は苛立たしげな表情を浮かべた。「何のダイヤモンドのブレスレットだ。今日お前がそんなもの付けているのを見てないぞ。盗まれるはずがない」
早川晴乃は焦りながら説明した。「あれは千瑠が今日くれた婚約祝いのプレゼントよ。あなたは遅く来たから見てないだけ。でも私ずっと手首につけてたの。さっきまでは。本当のことよ、千瑠に聞いてみて」