第217章 性根は直らない

夏目星澄が一曲歌い終わると、会場から大きな拍手が沸き起こった。

花井風真もその中にいた。

早川晴乃はその光景を見て歯ぎしりするほど腹が立ち、すぐにでも舞台に上がって夏目星澄の顔を引っ掻きたい衝動に駆られた。

花井風真は夏目星澄が舞台を降りるのを見て立ち上がろうとしたが、早川晴乃に引き止められた。「風真さん、どこに行くの?」

花井風真は急いでいたので、適当な言い訳をした。「ちょっとトイレに行ってくる。すぐ戻るから。」

早川晴乃は全く信じていなかった。「私も行きたいわ。一緒に行きましょう。」

花井風真は眉をひそめた。彼女と一緒では夏目星澄と話すことができない。

早川晴乃を振り切る方法を考えていると、携帯が鳴った。「ちょっと電話に出てくる。戻ってから話そう。」

早川晴乃は花井風真が夏目星澄のところに行くのではないかと心配で、すぐ後を追った。