夏目星澄は花井風真の気分が悪いのだろうと思い、誰かに慰めてもらいたがっているのだと考えた。
幼い頃からの友人なのだから、恋人にはなれなくても、友達としてはやっていけるはずだ。
少し躊躇した後、承諾した。「いいわ」
「じゃあ、明日の午後、迎えに行くよ」
「そんなに面倒なことしなくていいわ。時間と場所を決めて、私に教えてくれればいいから」
「そうか、じゃあ後でLINEで送るよ」
花井風真は喜んで電話を切った。
一方、早川晴乃は花井風真との婚約を解消させられ、泣きながら実家に帰って母親に助けを求めるしかなかった。
「お母さん、何とかして!花井君が私を捨てたの!」
霧島雪栄も花井風真がこの件について気付き、証拠まで見つけたとは思わなかった。
早川晴乃のために取り戻そうとしても、どうすればいいのか分からなかった。