霧島冬真はあの時のことを思い出し、胸が痛んだ。
薬を盛られたことに気づいた時、彼は激怒した。
しかし、夏目星澄が心配そうな顔で部屋に入ってきた時、彼は怒りと戸惑いを感じた。
夏目星澄はなぜこんなことをしたのか。
彼女に好意を持ち始めていたのに、すべてはゆっくりと進めることができたはずなのに。
それなのに、彼女はこんな愚かな方法を選んだ。
しかし、薬を盛られた彼はあまりにも苦しく、追い払おうとしたが、夏目星澄が触れた瞬間、自制が効かなくなった。
夏目星澄の心配そうで怯えた表情を見つめながら。
彼はその偽りの表情を引き裂きたいと思った。
彼女が何を言っても、耳に入らなかった。
体の中の欲望の炎を彼女の上で燃やすままにした。
そして今、同じようなことが再び起きた。
相手は梁川千瑠に変わっていたが、彼は少しも欲望を感じなかった。