霧島冬真は会議を終えるとすぐに携帯を取り出し、林田瑶子の家の監視カメラをチェックして、夏目星澄が何をしているか確認しようとした。
しかし、カメラの範囲内には誰の姿も見えなかった。
部屋で寝ているのだろうか?
なぜか、星澄の姿が見えないと、彼は不安を感じずにはいられなかった。
彼女の休息を邪魔することになるかもしれないが、霧島冬真は電話をかけて確認することにした。
しかし、電話をかけても誰も出なかった。
何度もかけ直しても、反応はなかった。
霧島冬真は椅子から勢いよく立ち上がった。帰って星澄の安全を確認しなければならない。
しかしその時、林田瑶子が監視カメラに映った。
彼女は星澄の名前を呼んだが、返事はなかった。
林田瑶子は不思議に思い、家の中を探し回ったが誰も見つからなかった。
携帯電話は家に置いてあった。
霧島冬真に星澄を連れて出かけたのか聞こうと思った矢先、彼女の携帯が鳴り、霧島冬真からの着信だった。
「もしもし、霧島社長、星澄はあなたと一緒ですか?」
「星澄は家にいないのか?」
「いいえ、携帯も持たずに出かけていて、あなたとも一緒じゃないなんて、どこに行ったんでしょう?」
霧島冬真は心配になってきた。「今すぐ戻るから、周辺を探してみてくれ。」
林田瑶子も表情が緊張してきた。「はい、すぐに周辺を探してみます。」
霧島冬真は急いでマンションに戻り、ちょうど探し回っている林田瑶子と出くわした。
「見つかった?」
「いいえ、周りを全部聞いて回りましたが、誰も星澄を見ていません。」
霧島冬真は不吉な予感がして、暗い表情で携帯を取り出し、監視カメラの映像を確認した。
ついに異常を発見した。
1時間前まで、星澄は家で普通に過ごしていた。
その後、誰かがインターホンを鳴らした。
彼女は玄関で外の人と話をしていた。
林田瑶子から荷物が届いたので、サインをしてほしいと言われたらしい。
しばらくすると、彼女の姿が消えた!
林田瑶子は監視カメラの映像を見て、焦った様子で言った。「私は星澄に何も送っていません。誰かが私になりすましたんです。」
「星澄が玄関で突然消えたということは、誰かに気絶させられて連れ去られたんじゃないでしょうか?」
「よくも大胆にも自宅で誘拐なんて、すぐに警察に通報しましょう!」