夏目星澄は決心を固めていた。霧島冬真が何を言おうと、もう二度と関わりを持つつもりはなかった。
一方、霧島冬真は、再び夏目星澄を失うことになれば、自分がどうなってしまうのか想像もできなかった。
なぜ彼女はこんなにも残酷なのか。彼に好きにさせておいて、そして彼を拒絶するなんて!
二人とも深く傷ついていた。
しかし、お互いを説得することはできなかった。
昼頃、水野文香は作った食事を持って病院にやってきた。
「星澄、お腹が空いているでしょう?おばあちゃんが直接作ったお粥よ。食べてみない?」
夏目星澄は今回は断らなかった。「はい」
水野文香は喜びの表情を浮かべた。「よかった!星澄、やっと食べる気になってくれたのね。おばあちゃんが知ったら、きっと喜ぶわ」
そう言いながら、湯気の立つお粥を彼女に盛り付けた。