夏目星澄と霧島冬真が結婚していた三年間、全く不満がなかったわけではない。
二人はこんな結末を迎えなくても良かったはずだ。
「霧島冬真、私があなたにどれだけのチャンスを与えたか、自分で数えてみなさい。私からの許しを得るのが簡単すぎて、あなたは全く気にも留めなかった。何度も何度も繰り返して、ついに私を空っぽにしてしまったわ」
空っぽになったのは彼女の心も同じだった。
彼女には何も残っていなかった。お腹の中にいた唯一の血のつながった存在さえも失ってしまった。
これからまた、彼女は孤独な一人になってしまう……
霧島冬真は力なく後ろの椅子に崩れ落ち、苦悩に満ちた表情を浮かべた。
夏目星澄は、もう彼にチャンスはないと言った。
彼はどうすればいいのだろうか?
夏目星澄の心も刺すような痛みで息ができないほどだったが、それでも言わなければならなかった。「もう、何も言うことはないわ。どうせとっくに離婚したし、子供もいなくなった。私とあなたの間には何の関係もない。これからは会う必要もないわ。このまま別れましょう」