夏目星澄と霧島冬真が結婚していた三年間、全く不満がなかったわけではない。
二人はこんな結末を迎えなくても良かったはずだ。
「霧島冬真、私があなたにどれだけのチャンスを与えたか、自分で数えてみなさい。私からの許しを得るのが簡単すぎて、あなたは全く気にも留めなかった。何度も何度も繰り返して、ついに私を空っぽにしてしまったわ」
空っぽになったのは彼女の心も同じだった。
彼女には何も残っていなかった。お腹の中にいた唯一の血のつながった存在さえも失ってしまった。
これからまた、彼女は孤独な一人になってしまう……
霧島冬真は力なく後ろの椅子に崩れ落ち、苦悩に満ちた表情を浮かべた。
夏目星澄は、もう彼にチャンスはないと言った。
彼はどうすればいいのだろうか?
夏目星澄の心も刺すような痛みで息ができないほどだったが、それでも言わなければならなかった。「もう、何も言うことはないわ。どうせとっくに離婚したし、子供もいなくなった。私とあなたの間には何の関係もない。これからは会う必要もないわ。このまま別れましょう」
霧島冬真は無力に首を振った。彼は本当に、もう一度彼女を失いたくなかった!
夏目星澄は彼が黙って首を振るのを見て、さらに嫌気が差した。「そんなことする必要ないわ。私たちの関係は、いつも私があなたを追いかけていただけ。今は私、もう走れないの。あなたも振り返る必要はない。そのまま前を向いて歩けばいいわ」
もし結婚前に誰かが、霧島冬真がいつか彼女に留まってほしいと涙を流して懇願するだろうと告げていたら、彼女は絶対に信じなかっただろう。
霧島冬真は彼女が見てきた中で最も強い男性だった。
彼女が彼のリハビリを看護していた一年間、どれほどの苦労を重ねたことか。たとえ全身が痛みで痙攣していても、一滴の涙も流さなかった。
まして彼女のような、愛していない女性のために涙を流すなんてありえなかった。
しかし今、現実は正反対だった。
霧島冬真は泣いていた。それも既に離婚した元妻のために泣いていた。
ただ、夏目星澄にはもう心が痛むような感覚はなかった。
なぜなら、彼女の心はあの可哀想な子供と共に死んでしまっていたから……
霧島冬真の心は罪悪感と後悔で満ちていた。
彼は自分と夏目星澄がこんな状況になるとは思ってもみなかった。