林田瑶子は東條煌真の態度にまずまず満足していた。彼を褒めようとした矢先、神田琴江の方から寺が爆発したかのような叫び声が聞こえてきた。「結納金が100万円?息子、あなた狂ったの?あの女にそんな大金を払う価値なんてないわ!」
100万円は神田琴江のような一般家庭出身の人にとっては天文学的な数字だった。
しかも、この金を東條煌真が投資に使うなり、家や車を買うなりするのならまだしも、嫁を迎えるために使うなんてとんでもない。
神田琴江は慌てて東條煌真の袖を引っ張った。「そんなにお金があるなら、他のことに使えばいいじゃない。なぜ彼女に結納金として渡さなきゃいけないの?それに、あなたが言ってた家だって安くないでしょう。本当に私を殺す気?だめよ、絶対反対!そんな大金を他人に渡すなんて!」