芦原悠青は芦原家の末っ子で、幼い頃から甘やかされて育った。
遊び上手で、美食にも詳しかった。
お金に困ることもなかった。
しかし、芦原家の当主が突然重病になってから、家の中の空気が一変した。
芦原悠青は周りの人々にとって目の上のたんこぶとなり、当主が興奮して芦原家の経営全てを芦原悠青に任せてしまうのではないかと恐れられた。
家の二人の兄は、芦原悠青を敵とみなし、いつか彼が成功を収めて家族の支持を得ることを恐れていた。
そして芦原悠青は、兄たちに次々と裏切られた後、やっと気づいた。後半生を快適に過ごすためには、芦原家で確固たる地位を築き、軽視されないようにしなければならないと。
だから霧島冬真が彼にビジネスの提携を持ちかけてきたと聞いた時、心に決めていた。
霧島家の資本を借りて、自分の道を切り開こうと。