第313章 花井風真は見合いを拒否する

すぐに、花井風真は思考を切り替え、笑いながら言った。「何も不快なことはありません。むしろ、すべて良好です。」

夏目星澄が霧島冬真と一緒にいなければ、自分の病気も半分は良くなったように感じた。

夏目星澄は彼の表情が良くなっているのを見て、安心した。「よかった。大丈夫で。そうでなければ、私、すごく自責の念に駆られていたわ。だって、熱が40度近くまで上がっていたのに、なぜすぐ病院に行かなかったの?私を探し回って...命を粗末にするつもり?」

花井風真は少し弱々しい声で言った。「あの時は、ただあなたを探すことだけを考えていて、あなたに何かあったらと心配で、自分が熱を出していることにも気づかなかったんです。申し訳ありません、心配をかけて。」

彼がそう言えば言うほど、夏目星澄の心は罪悪感で一杯になった。

「謝るべきなのは私の方よ。私のせいであなたが病気になって熱を出してしまったんだから...これからは私のためにそんな無茶なことはしないで。自分の健康が一番大切なんだから。」

「分かりました。これからは気をつけます。」花井風真が言い終わると、突然重要なことを思い出した。「今、何時ですか?」

「お昼の12時過ぎよ。どうしたの?お腹が空いた?じゃあ、晓良に食べ物を買いに行かせるわ。何が食べたい?」

花井風真は少し焦った様子で言った。「食事のことじゃないんです。あなたの宣伝活動のことです。今日、イベントに参加するって言ってませんでしたか?10時に出発するはずだったのに、もう12時過ぎてますよ。間に合うんですか?」

夏目星澄は説明した。「大丈夫よ。三浦監督に休みを申請したから。明日行っても問題ないの。」

「本当に大丈夫なんですか?このイベントをとても重要視していたように見えましたけど。僕のせいで、あなたの仕事に支障をきたしてしまって。」花井風真はとても後悔していた。

夏目星澄は慰めるように言った。「あなたのせいじゃないわ。すべて偶然よ。もし誰かのせいにするなら霧島冬真の...まあ、彼のことは言わないでおきましょう。とにかく安心して。仕事のことは私がうまく処理するから、あなたはここでゆっくり療養に専念して。」

その後、神田晓良に昼食を買いに行かせ、午後4時か5時頃まで、花井風真の容態が安定してから、退院してホテルに戻った。