霧島冬真は一晩中二日酔いで、翌日の午後になってようやく会社に向かった。
大谷希真は霧島冬真を見かけると、深刻な表情で「社長、ニュースになっているようです」と告げた。
霧島冬真は眉をひそめ、「どんなニュース?」
彼はこれまで一度もインタビューを受けたことがないのに、どうして突然ニュースになるのだろう?
大谷希真はスマートフォンを差し出した。「スキャンダルです。昨夜、クラブで女性と一晩過ごし、最後にその女性を病院に運んだとか...」
霧島冬真はスマートフォンのニュース記事を一瞥し、思わず苦笑した。「根も葉もないデタラメを。私のことまで勝手に書きやがって、この記事を出したサイトは死にたいらしいな」
「直ちに法務部に渡して名誉毀損で訴えろ。それと、そのクラブのオーナーに連絡を取って昨夜の防犯カメラの映像を入手し、真相を公表しろ」