第345章 とっくに知り合いだった

ボディーガードは少し困惑した。この夏目星澄は壊れ物でもないのに、触れることすらできないなんて、霧島冬真は彼女を守りすぎだ。

彼がそんなに好きなら、なぜ最初に離婚したのだろう。

そのせいで、我が家の風真様が忘れられず、お爺様にまで逆らうことになってしまった。

もっとも、これらの文句は心の中でしか言えないことだが。

花井風真も霧島冬真の言葉に一理あることを理解していた。今の彼は花井家から逃れることができず、どうやって夏目星澄を守れるというのか。

夏目星澄は霧島冬真を睨みつけ、でたらめを言わないよう警告した。

そして花井風真に目を向けて、「風真、私のことは心配しないで。やりたいことをやればいい」

花井風真は体を硬くし、夏目星澄を見上げた。

彼の目には、彼女はいつも強くて勇敢な人だった。