霧島冬真は、このように夏目星澄の世界から消えてしまった。
半月が過ぎても、どんなに探しても彼の居場所は分からなかった。
最後にはもう方法がなく、自ら帝都へ人を探しに行くしかなかった。
ちょうど朝倉監督の映画も、帝都で撮影することになっていた。
夏目星澄は撮影をしながら人を探すことにし、両方とも疎かにしないようにした。
しかし、帝都のほぼすべての大病院を探し回っても霧島冬真の姿は見つからなかった。
これで彼女は一時、自分が間違った場所を探しているのではないか、霧島冬真はここにいないのではないかと疑い始めた。
また無駄な一日が過ぎ、夏目星澄がホテルに戻った時には、もう疲れ果てていた。
林田瑶子はそれを見てとても心配そうだった。「星澄、もういいんじゃない?霧島冬真があなたに隠れているなら、見つけることは絶対にできないわ。」