霧島峰志が怒ろうとした時、救急室のドアが開き、医師が慌てて出てきて言った。「患者さんのご家族はいらっしゃいますか!」
霧島峰志と水野文香は即座に駆け寄り、「私たちが両親です」と答えた。
医師は深刻な表情で言った。「申し上げますが、患者の状態は非常に深刻です。傷口が感染して発熱し、大量出血もしています。当院の血液バンクにあるAB型の血液は400ccしか残っておらず、全く足りません。他の病院に融通を依頼していますが、皆様も献血者を探していただけないでしょうか」
「それと、これは病状危篤の同意書です。ご署名をお願いします」
その言葉を聞いた霧島峰志は、よろめいて倒れそうになった。
「会長!」大谷希真が素早く支えた。
霧島峰志は心を落ち着かせて言った。「私はAB型です。息子に提供できます」