第361章 障害者になる可能性

夏目星澄は霧島冬真の言葉を聞き取り、突然頬が熱くなり、急いで車椅子に座り直した。「私...見るところなんてないわ、前にも見たことあるでしょう。」

霧島冬真は笑って、何も言わなかった。

夏目星澄は少し考えてから、やはり霧島冬真にお礼を言った。「どちらにしても、あなたは私を二度も救ってくれた。お礼を言わせて。」

しかし霧島冬真は、夏目星澄がそう言うのは、意図的に距離を置こうとしているように感じた。

彼は二人の関係がより疎遠になることを望んでいなかった。

霧島冬真は深い眼差しで目の前の最愛の女性を見つめた。「星澄、そんな風に言わないでくれ。僕はお礼なんて必要ない。君を救うのは僕の本望だ。一度でも二度でも、百回でも喜んでする。」

彼は夏目星澄の性格をよく知っていた。もし彼女を救ったことを取引材料にして、彼女に戻ってくるよう求めれば、きっと承諾するだろう。