第371章 失ってから大切さを知る

霧島冬真は夏目星澄を心配させたくなかったので、感情を抑えて「さっき足が少し痺れたから、たたいていただけだ」と言った。

「そんなたたき方があるの?痛そう。足が痺れたら私に言って、マッサージしてあげるから」夏目星澄は文句を言いながら、彼の足をマッサージし始めた。

霧島冬真はただの言い訳を作っただけで、夏目星澄に苦労してマッサージしてもらいたくなかった。

「星澄、もう大丈夫だから、もうマッサージしなくていい。空も暗くなってきたし、そろそろ食事にしないか」

夏目星澄は携帯を見ると、もう6時過ぎで、確かに夕食の時間だった。「いいわ。何が食べたい?出前を頼むけど」

「何でもいいよ」

「じゃあ、消化に良いものにしましょう。知ってる美味しい麺屋があるから、二人分頼むわ」

「うん、頼んでくれ」