第387章 彼女の態度が私の態度

夏目星澄は花井お爺様が自ら和解を求める様子を見て、権力というものは本当に素晴らしいものだと感じざるを得なかった。

どんなに高慢な人でも、頭を下げる時があるものだ。

しかし彼女の心の中では、花井お爺様の態度がこれほど早く変わったのは、全て霧島冬真のおかげだということもわかっていた。

今日、もし彼が出てこなかったら、謝罪の言葉さえ聞けなかっただろう。

霧島冬真は芦原蘭の謝罪など望んでいなかったし、花井正道の態度など気にもしていなかった。

彼が気にかけていたのは、ただ夏目星澄の気持ちだけだった。

そこで、隣にいる夏目星澄を見上げ、優しい声で尋ねた。「どう思う?」

夏目星澄は以前と同じ考えで、芦原蘭を許すことはできなかった。

彼女は率直に花井お爺様の目を見つめ、「申し訳ありませんが、花井お爺様、お断りします。それに、お話ししたいことがあります」と言った。