第416章 夏目星澄が受賞

霧島冬真は、すべてのスターがレッドカーペットを歩き終えた後にやってきた。目立たないようにするためだった。

しかし、主催者の総支配人に気づかれてしまい、直々に出迎えられることになった。

まだ完全に立ち去っていないメディアや記者たちは、霧島冬真の正体について様々な憶測を立て始めた。

中には、カメラを取り出して盗撮し、彼と女優との関係を探り出そうとする者もいた。スキャンダルでも見つかれば、アクセス数が増えるかもしれないと考えたのだ。

しかし、記者がカメラを取り出した途端、体格のいい男性に遮られた。「撮影は禁止です」

記者は不満げに言い返した。「なぜ撮れないの?私は記者で権利が...」

誰かが彼女の腕を引っ張り、必死の表情で警告した。「正気?あれは霧島グループの霧島社長よ。許可なしの撮影を最も嫌う人なの。もしネットに流出したら、潮見市での仕事は永久にお終いよ。早く行きましょう!」