霧島冬真は夏目星澄が目を覚ましたのを見て、思わず目が潤んでしまった。「星澄、今どう?具合の悪いところはない?」
夏目星澄は軽く首を振った。「特に具合の悪いところはないわ。でも、あなたの目が赤いけど、泣いてたの?」
霧島冬真は確かに泣いていたが、そんな恥ずかしいことを夏目星澄に知られたくなかった。「いや、君のことが心配で一晩眠れなかっただけだ」
夏目星澄はそれ以上追及せず、体を動かして起き上がろうとした。
霧島冬真はすぐにベッドサイドのリモコンを押して、ベッドをゆっくりと起こした。
夏目星澄は無意識に手を怪我した部分に置いた。「私の怪我、大したことないでしょう?医者は退院できる時期について何か言ってた?」
霧島冬真は眉をひそめた。「どうして大したことないと言える?病院に運んだ時、君は失血性ショックを起こしていたんだぞ!」