祝賀会がもうすぐ終わるところで、夏目星澄は顔を出しに戻らなければならなかった。
彼女は霧島冬真とホテルの地下駐車場で待ち合わせることにしていた。
誰かに霧島冬真の車に乗るところを見られないように、全員が帰るのを待ってからエレベーターで降りようと思っていた。
しかし、エレベーターの前には、いつの間にか「点検中」の看板が置かれていた。
両方のエレベーターともそうだった。
幸い3階は高くないので、階段で降りても大丈夫だった。
夏目星澄は着ているイブニングドレスが少し床に引きずり、ハイヒールを履いていたので歩きにくかった。
1階に近づいた時、下から足音が聞こえてきて、その足音は次第に早くなり、彼女の心は急に緊張し始めた。
思わず足を速め、早く階段を離れようとした。
しかし、曲がろうとした時、その足音が突然消えた。