第424章 彼女の誠意が彼の心を動かした

西原妙子は気が収まらず、助監督に夏目星澄の身元について尋ねてみた。

「武史兄貴、この夏目星澄って一体何者なの?どうして彼女はオーディションの後すぐに決まったの?もしかして最初から彼女に決まっていて、私たちは形だけのオーディションだったの?」

武史兄貴は首を振った。「西原さん、中村監督の性格をまだ分かってないんですか?彼が事前に役者を決めたことなんて一度もないでしょう。でも、この夏目星澄については少し知っています。三浦和靖の推薦で、監督が彼女の演技を見て、イメージと雰囲気が合っていると思ってオーディションに呼んだんです。まさかこんなに早く決まるとは思いませんでしたけど。」

「つまり、この夏目星澄と三浦和靖の関係は普通じゃないってこと?」

「以前共演して大ヒットしましたからね。関係が普通じゃないのは確かです。」