第429章 薬を盛られる

夏目星澄は西原妙子が一日中自分の面倒を見てくれたことを思い出し、彼女がワイングラスを自分の前まで持ってきてくれたのを断るのは悪いと思い、「ありがとう」と言った。

西原妙子は夏目星澄が手に持ったまま飲まないのを心配して、わざとグラスを合わせた。

夏目星澄は深く考えずに、赤ワインを少し飲んでみた。確かに美味しかった。

しかし、お酒が進むにつれて、頭がクラクラしてきた。

夏目星澄は自分がお酒に弱いのだと思い、もう限界だと感じたので、監督に一言告げてトイレに向かい、顔を洗って目を覚まそうとした。

しかし、トイレに入るなり、立っていられなくなった。

すぐに携帯を取り出し、神田晓良に迎えに来てもらおうとした。

しかし、なぜか頭がクラクラするだけでなく、手にも力が入らなくなっていた。